2012年5月29日
カテゴリ:スポーツ
ロンドンオリンピックが近づいて各種目で出場権争いが繰り広げられているが、ちと考えさせられることが近年多くなっている。本来スポーツとはもっと純粋であるべきだと思うのであるが、女子バレーなどは、まるでタレント扱いで見苦しい。マスコミの扱い方の問題で、商業ベースに乗せられている彼女たちの責任ではないのだろうが、先日の最終予選会でも、4位でぎりぎり通過したのにその後の扱いなどはまるで優勝したかのようで・・・見るに堪えなかった。 タレントがオリンピックに挑戦したこともニュースになり大袈裟に取り上げられた。ともにお笑いの世界からの挑戦であり、ウケねらいだったのかとも思ったが、女性お笑い芸人の挑戦ぶりは、理解できるとしても、他国でマラソンの出場権をねらったタレントには疑問を感じた。マラソン女子で2大会連続メダリストになった有森裕子がマラソンの普及に努めている国からである。日本では、高校生でも走るようなタイムでありながら、マラソン競技の遅れている国からの出場をねらったのだから笑い話じゃすまされない。マスコミでは、国民の賛否は半々であると報じていたが、とうてい信用できない結果である。 オリンピックの父といわれるクーベルタン男爵が残したオリンピック憲章の前文になっている言葉に「オリンピックは勝つことではなく参加することに意義がある」とあるが、さらに「それは、人生において成功したか否かよりいかに生きたかが大切であると同じである」と結ばれている。 1980年の冬季オリンピックにおいてスピードスケート5種目完全制覇の偉業を成し遂げたアメリカのエリック・ハイデンが受賞後のインタビューにこう応えている。「オリンピックで金メダル5個を取ったことよりも、このオリンピックを目指して長い間、辛く苦しい練習に耐えてきた自分を誇りに思う。」と・・・。日本国内にもオリンピックを目指しながら長い間、厳しい練習を積んでいる多くのマラソンランナーがいることも忘れないでほしい。